Q.4・任意売却が、競売より高く売れるのか?
A.一般的にそのような情報が多いですが、一概には言えません。
そもそも、売却の手続き内容が、全く異なります。
任意売却は、抵当債権者主導の下、売主買主当事者間の交渉のうえ、売買契約。
競売は、抵当権者から裁判所への申立てに始まる裁判上の手続きで、競争入札において、落札。
まして、競売案件が全国的に少なくなっている昨今は、入札参加者の数が多くなり、中古相場より高値落札も見受けられます。
しかし、任意売却、競売とも、売却価格から差し引かれる費用、また、遅延損害金等に、大きな差異が生じますので、売却価格のみで判断する事には注意が必要です。
Q.5・任意売却で、売却代金の一部を手元に残せるか?又は、売却代金配分で、債権者から引越し費用等、もらえるのか?
A.任意売却は、住宅ローン(被担保債権)を担保するため、購入した不動産に「抵当権」という権利を登記した「抵当権者」の承諾のもと、手続きが開始されます。
抵当権の効力の一つが「優先弁済効」で、他の債権者に先立って売却代金から返済を受けられます。
残債務が売却代金より多ければ、手元に資金は残りません。
また、売却代金の配分内容も、抵当権者の意向次第です。引越費用を認めていただくケースは、一般的に少ないですので、当てにはできません。
Q.6・住宅ローン残債額が、不動産査定額より多いが、毎月の返済が厳しくなってきた。
「早めに」任意売却をしたいが、可能か?
A.住宅ローンの返済が、滞っている期間、住宅ローン会社(金融機関)の動きは、一般的に次の通りです。
1.催促書面送付 2.督促書面送付 3.支払い期限付きの督促書面及び代位弁済(住宅ローンの保証会社が、債務者に代わって金融機関へ支払う)日の通知
4.代位弁済完了及びローン残債全額の支払い請求(*保証会社からの書面)
上記「3」の代位弁済日までに滞納金を返済できなければ、代位弁済日が、「期限の利益の喪失」日
期限の利益喪失日より前段階での不動産売却は、住宅ローンの完済が条件です。
住宅ローン残債額が、不動産査定額(+自己資金)より多い場合は、売却できません。
期限の利益の喪失日以降に「任意売却の申立て」を行い、債権者に承諾いただければ手続きが開始されます。
ただし、前もって(期限の利益の喪失日より前)、「任意売却の申立て」を金融機関に行い、受理していただけるケースもありますが、その場合でも、手続き開始は上記「4」以降です。